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持たざる者たちの文学史 帝国と群衆の近代
吉田裕=著

ジャンル :文芸・外文研究・群衆論
刊行年月:2021.03
A5判上製376頁
本体価格4,500円
ISBN:978-4-86503-107-2

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世界文学と民衆史の交点から紡ぐ群衆論の新地平――なぜデモや抗議活動の参加者は群衆や暴徒と名指されるのか。なぜ人が集まると危険とみなされるのか。本書ではこれらの眼差しの起源を植民地統治にみる。英米文学からカリブ/アフリカ文学までを扱い、植民地出身の知識人が、否定的な群衆像をいかにして大衆や人民、民衆という主体へと肯定的に読み替えたかをたどる。ジョウゼフ・コンラッド、C・L・R・ジェームズ、リチャード・ライト、ジョージ・ラミング、グギ・ワ・ジオンゴらをめぐる、新たな第三世界文学論。

「はじめに」より:「本書は、ハイチ(サン・ドマング)、バルバドス、ケニア、韓国からインドネシアにまで渡る広範な地域の大衆や群衆の表象を対象とする。〔…〕反体制的で集合的な行為体を大雑把に一般化するのではなく、これらの発明において、時代的、政治的、社会的、あるいは内発的な要請を受け止めつつ、個々の作家や思想家が形を与え、向き合ってきた大衆や民衆とは何だったのかということを具体的に読み解く。〔…〕それぞれ別様の語彙を発明することが、植民地と帝国からの離脱を目指す思想、文学および運動にとっていかに不可欠であったかを明らかにすることが主眼となる」。

目次
第一部 群衆(帝国主義)
 第一章 人びとが集まることはなぜ「危険」なのか? ― ポー、ボードレール、コンラッドに見る都市と植民地の群衆
   第二章 群衆と共同体、そして不可能な抵抗 ― ジョウゼフ・コンラッド『ロード・ジム』と『ノストローモ』
第二部 大衆(革命と反帝国主義) 
 第三章 歴史記述、あるいはハイチ革命における友愛の問い ― C・L・R・ジェームズ『ブラック・ジャコバン』
 第四章 バンドン、脱植民地化の未完のプロジェクト ― リチャード・ライト『カラー・カーテン』
第三部 人民/国民(脱植民地化)
 第五章 植民地主義と情動、心的な生のゆくえ ― ジョージ・ラミング『私の肌の砦のなかで』と『故国喪失の喜び』における恥の位置
 第六章 モーセと抵抗の考古学 ― グギ・ワ・ジオンゴ『一粒の麦』のネーションと母性性
第四部 民衆(新植民地主義)
 第七章 「諷刺か、食人主義か」 ― グギ・ワ・ジオンゴ『十字架の悪魔』の新植民地主義批判
おわりに

参考文献
あとがき

著者:
吉田裕(よしだ・ゆたか)

1980年生。東京理科大学准教授。一橋大学言語社会研究科博士課程後期修了。専門はカリブ文学および思想、文化研究。共著に『国民国家と文学――植民地主義からグローバリゼーションまで』(作品社、2019年)など。訳書にジョージ・ラミング『私の肌の砦のなかで』(月曜社、2019年)、ノーム・チョムスキー『複雑化する世界、単純化する欲望――核戦争と破滅に向かう環境世界』(花伝社、2014年)、ニコラス・ロイル『デリダと文学』(共訳、月曜社、2014年)、ポール・ビュール『革命の芸術家――C・L・R・ジェームズの肖像』(共訳、こぶし書房、2014年)など。

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