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自分自身を説明すること 倫理的暴力の批判
ジュディス・バトラー=著
佐藤嘉幸+清水知子=訳

ジャンル :人文・哲学思想
刊行年月: 2008.8
46判並製カバー装288頁
本体価格2,500円
ISBN978-4-901477-42-0

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他者との関わり合いにおいて主体は形作られ、他者への責任=応答可能性において主体は自らを変革する。道徳が暴力に陥る危険性を問い質し、普遍性の押し付けによって個性を圧殺する倫理的暴力の論理に抗いつつ、危機の時代に「私」と「あなた」を結び直して希望の隘路を辿る、剣呑な哲学。暴力論叢書第三弾刊行!

アドルノとレヴィナスについての驚くほどオリジナルな解釈のなかで、ジュディス・バトラーは、倫理の問題が道徳的自己と暴力との共犯関係に不可避的に取り組まざるをえないことを説得的に示している。剏造的な再解釈の諸前提を提示しつつ、本書は、これら二人の著者についての議論、彼らの未来への遺贈が、ある意味で始まったばかりであることを示している。バトラーは、人間情念の最も残酷で最も破壊的な部分に対抗し、それを別の方向へと導くために哲学的知性の最大の力と悦びを結集する点で、真にスピノザ的精神において著述している。見事な議論とすばらしい文章によって、『自分自身を説明すること』は、現代の文化と政治を考える哲学者と学生にとって必ずや古典となり、必読書となるだろう。
ヘント・デ・ヴリーズ(ジョンズ・ホプキンス大学)

アイデンティティと責任=応答可能性との交差をめぐる力強い探究である『自分自身を説明すること』は、私たちの時代の最も重要な思想家たち----アドルノ、フーコー、レヴィナス、ラプランシュ----と対話する最良のジュディス・バトラーを見せてくれる。これらの思想家が異議を申し立てようとする社会的、道徳的規範との関係でのみ現れる、アイデンティティの問題と対峙しつつ、バトラーは、自己理解の諸限界----それは私たちを人間にしてくれる-----との関係から、責任=応答可能性を再考しようとするのである。
ジョナサン・カラー(コーネル大学)

『自分自身を説明すること』においてジュディス・バトラーは、自己認識を切望する際にさえ放棄され、耐え忍ばれ、経験されねばならないものとは何かと問うている。彼女は、人間の個体化に伴う衰弱について、大胆な仕方で探究を続けているのである。そこから彼女が示唆するのは次のようなことだ。つまり、自己意識の絶頂とは、洞察には危険が伴っており、知覚には裂け目があり、判断には根拠が乏しいことを自己について認識する点にある、と。本書は、勇気ある思想家による、勇敢な書物である。
ヘイドン・ホワイト(カリフォルニア大学/スタンフォード大学)

紹介記事 
石原千秋氏短評(「みすず」2012年1・2月合併号「2011年読書アンケート」)
冠木敦子氏書評(「週刊読書人」2008年11月28日号「ジェンダーの理論家バトラーが倫理に向かった書」)
本橋哲也氏書評(「週刊金曜日」2008年10月24日号「ネオリベ的状況を撃つ思想的根拠」)
合田正人氏書評(「図書新聞」2008年10月11日付「バトラーとレヴィナスの行き詰るような対決」)

目次
第一章:自分自身の説明[呼びかけの光景/フーコー的主体/ポスト・ヘーゲル的問い/「あなたは誰か」]
第二章:倫理的暴力に抗して[判断の限界/精神分析/「私」と「あなた」]
第三章:責任=応答可能性[ラプランシュとレヴィナス----他者の優位/間になることをめぐるアドルノ/彼自身を批判的に説明するフーコー]
訳者解説:「倫理」への転回

原書: "Giving an account of oneself", by Judith Butler, 2005, New York: Fordham University Press.

著者:ジュディス・バトラー(Judith Butler)
カリフォルニア大学バークレー校、修辞学・比較文学科教授。訳書に以下のものがある。『ジェンダー・トラブル』(竹村和子訳、青土社、1999 年)、『アンティゴネーの主張』(竹村和子訳、青土社、2002 年)、『触発する言葉』(竹村和子訳、岩波書店、2004 年)、『生のあやうさ』(本橋哲也訳、以文社、2007 年)。共著:『偶発性・ヘゲモニー・普遍性』(エルネスト・ラクラウおよびスラヴォイ・ジジェクとの共著、竹村和子+村山敏勝訳、青土社、2002 年)、『国家を歌うのは誰か』(ガヤトリ・C・スピヴァクとの共著、竹村和子訳、岩波書店、2008 年)。

訳者 :
佐藤嘉幸(さとう・よしゆき)
京都大学大学院経済学研究科博士課程修了後、パリ第十大学大学院にて博士号(哲学)取得。現在、筑波大学大学院人文社会科学研究科専任講師。著書に『権力と抵抗----フーコー、ドゥルーズ、デリダ、アルチュセール』(人文書院、近刊[2008 年])、共著に『ドゥルーズ/ガタリの現在』(平凡社、2008 年)などがある。
清水知子(しみず・ともこ)
筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科修了。博士(文学)。現在、筑波大学大学院人文社会科学研究科専任講師。共著に『越える文化、交錯する境界----トランス・アジアを翔るメディア文化』(山川出版社、2004 年)、『ドゥルーズ/ガタリの現在』(平凡社、2008 年)、訳書にスラヴォイ・ジジェク『ジジェク自身によるジジェク』(河出書房新社、2005 年)などがある。

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